ニッチとは壁の一部にへこみを造ったもので、固定棚のように使うことができます。構造上、強度に影響が出ない柱と柱の間に造られるため、奥行きは10㎝前後のものが多くなります。ちょっとしたスペースですが、へこみを収納として活用できるので通路が狭くなることなく、見た目もすっきりとして見えます。
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便利でおしゃれな「ニッチ」って?取り入れて理想の空間をつくろう
注文住宅を建てる際、よく採用されるものとして「ニッチ」があります。一般的にはあまり聞き慣れないものですが、採用することでより便利になったりおしゃれになったりと様々なメリットが。今回はそんな「ニッチ」について、事例とともにご説明します。
目次
1 住宅における「ニッチ」とは 2 よくあるニッチの例①リモコンコーナー リモコンコーナーでニッチを採用するメリット リモコンコーナーのニッチの事例 3 よくあるニッチの例②ちょっとした収納 収納でニッチを採用するメリット 収納のニッチの事例 4 よくあるニッチの例③デザイン性を高める ニッチでデザイン性を高めるメリット デザイン性を高めるニッチの事例 5 ニッチの注意点 6 ニッチを取り入れるなら建築士にご相談を住宅における「ニッチ」とは
よくあるニッチの例①リモコンコーナー
リモコンコーナーでニッチを採用するメリット
住宅にはインターホンや給湯器などのリモコンが設置されますが、それらをまとめて設置する場所にニッチが採用される例が多いです。リモコンは壁に取り付けると出っ張りとなってしまうため、壁面の中で悪目立ちしてしまいます。それをニッチの中に収めることで余計な出っ張りを無くし、見た目にもまとまりを持たせることができます。
リモコンコーナーのニッチの事例
こちらは回遊できるキッチン横の壁面にニッチを設けてリモコンを収めています。リモコンはちょっとした出っ張りに思えますが、最小限の幅の通路では意外と大きな差。ニッチ内に設置しておけば身体が当たって誤操作する可能性も軽減できます。またこの写真のようにアクセントクロスを採用して見た目に変化をつけて楽しめるのもニッチの良いところです。
こちらもキッチン横の壁面に設置した例ですが、リモコンに加えて収納も用意しています。収納には様々な書類をまとめておくことができ、使い勝手の良いコーナーとなっています。家の形にしたデザインもおしゃれです。
よくあるニッチの例②ちょっとした収納
収納でニッチを採用するメリット
家の中には、細々とした物が多く存在します。物は片付けてスッキリさせておきたいけれど、よく使うからすぐ手の届く場所に置いておきたい…そのような場合にもニッチが活躍します。ニッチの中にまとめて置くことで簡単に整った印象を与えることができるので、お客様の目に入るようなLDKや手洗い、トイレなどにもピッタリです。
収納のニッチの事例
こちらはダイニングテーブルの高さに合わせてニッチをつくりました。食卓用調味料などダイニングに用意しておきたい物をまとめることができます。さらに、写真では見えませんがニッチの内側にコンセントを設けています。ホットプレートの使用などで活躍するダイニングのコンセントですが、このように見えない位置にあることでスッキリした印象になります。
こちらは洗面化粧台の横にニッチをつくりました。歯みがきグッズや化粧品類など細々とした物が多くなりがちな場所なので、収納は充実させたいものです。こちらの洗面化粧台はニッチを採用することでおしゃれなデザインを損なわず、使いやすさも実現しています。
よくあるニッチの例③デザイン性を高める
ニッチでデザイン性を高めるメリット
ニッチは実用性だけでなく、インテリアを楽しむためのものとしても人気があります。お気に入りの雑貨を飾りたいとき、どこに置くか、邪魔にはならないかなど悩んでしまうこともあるかと思いますが、ニッチを定位置としておけば飾り方で悩まず、きれいに見せることができます。またニッチそのものも、タイルや照明でこだわったデザインにすることも可能です。
デザイン性を高めるニッチの事例
こちらはLDKに大胆に配置したニッチの事例です。L字に広く取ったニッチはエコカラット貼りに加え、さり気なく照明も施しているので、お気に入りの物を飾るにはぴったりの場所です。高級感、存在感のあるニッチでワンランク上のインテリアを楽しむことができます。
こちらは玄関にニッチを設けています。エコカラット貼りにガラスの棚を設置したこだわりのデザインです。玄関は空間が限られた場所ですが、ニッチを採用することで動線を邪魔することなくお気に入りの物を飾ることができます。お客様からも見える場所なので、このように整えられると気持ちよくお出迎えできますね。
ニッチの注意点
便利でおしゃれなニッチですが、掃除の手間がかかるというデメリットがあります。壁にへこみがあるため、どうしてもホコリが溜まってしまいます。掃除の際には置いてあるものを移動する手間があることも気に留めておきましょう。
またニッチは強度に影響が出ないように造るため、どこでも自由に造れるわけではありません。ニッチを取り入れたい場合は事前に相談しておきましょう。
ニッチを取り入れるなら建築士にご相談を
せっかくニッチを造るなら、より使いやすく、好みのデザインにしたいもの。どんな時、どんなふうに使うのかをイメージし、どこに造るのがベストかを考えて専門家に相談してみましょう。