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高性能住宅とは?基準やメリット・注意点を分かりやすく解説

2024.09.28
高性能住宅とは?基準やメリット・注意点を分かりやすく解説

高性能住宅とは、断熱性や気密性、耐震性、省エネ性などの性能に優れ、快適に暮らすことができる住宅です。「高性能住宅」に明確な基準や定義はありませんが、「長期優良住宅」「ZEH(ゼッチ)住宅」などの明確な基準をクリアした住宅はあります。本記事では、高性能住宅の基準や目安、メリットについて分かりやすく解説します。

高性能住宅とは?

「高性能住宅」に明確な基準や定義はありませんが、一般的には以下の5つの性能が良い家を指すことが多いです。

 

断熱性

断熱性とは、室外からの温度を遮断し、暑さや寒さの影響を受けにくくする性能です。

 

断熱性は、1~7まで7段階の「断熱等級」で表されます。数字が大きければ大きいほど熱の出入りが少なく、断熱性能が高いことを意味します。

2025年以降に新築する住宅は、断熱等級4以上、2030年には等級5以上の義務化が決まっています。断熱等級4以上やエネルギー消費基準をクリアしていないと【フラット35】※を借りることができないなど、すでに断熱等級は4が基本となっています。

 

断熱性能の良いお家は、夏は外の熱気を遮断し、冷房の効いた涼しい空気を閉じ込めることで、電気代の節約にもつながります。逆に冬は冷たい空気を遮断し、暖房で温まった空気を保ってくれるので、室内の急激な温度変化によるヒートショックのリスクを減らせます。

室内を快適な温度に調節するために、断熱性は非常に重要なポイントです。

 

※【フラット35】…全国300以上の金融機関が住宅金融支援機構と提携して扱う「全期間固定金利型住宅ローン」のこと。

 

気密性

気密性とは、壁や床などの隙間を無くして密閉することで、室温をできるだけ長く一定に保つ性能のことです。

また、断熱性だけ高めても、隙間があれば外の空気が侵入して室温が変化してしまうため、気密性とセットで導入して効果を高めるのが一般的です。ただし、気密性を高くしすぎると、換気や除湿をしづらくなるため、除湿器を導入するなどの工夫が必要になります。

気密性の良いお家は、花粉やPM2.5などが室内に入り込むのを防いでくれる効果があります。

また、季節を問わずエアコンの効いた快適な空間にもしてくれます。

 

耐久性

住宅がどれくらい長持ちするかに関わってくるのが、耐久性です。住宅にも一定の寿命があります。雨風で外壁の塗装が劣化したり、傷がついたりなど、建てた当時のままを永遠に保てるわけではありません。
一般的に、木造住宅の耐用年数は、30年前後といわれています。100年程度持つとされている鉄筋コンクリート造マンションと比較すると、木造住宅のほうが耐久性は低くなってしまいます。

しかし、建材の選び方や工法、塗装などの工夫で、30年以上の長期にわたって暮らすことも可能です。実際に、国によって認定された「長期優良住宅」ならば、木造であっても耐久性に優れているので、75〜100年は持つといわれています。

 

耐震性

耐震性とは、地震のゆれに対して建物がどの程度耐えられるかの安全性の指標です。

近年話題になっている南海トラフ地震の対策としても注目度の高い性能です。

 

耐震性は3段階の「耐震等級」で表されます。

耐震等級1は、建築基準法で定められている最低限の耐震性能を満たす水準。

耐震等級2は、1の1.25倍の地震に耐えられる水準です。災害時の避難所として指定される学校などの公共施設は等級2が義務づけられています。

耐震等級3は、2の1.5倍の地震力に耐えられる水準です。災害時の救護活動・災害復興の拠点となる消防署・警察署など多くがこの等級で建設されています。

 

震度6~7程度の大地震に耐えるためには、最も耐久レベルが高い「耐震等級3」が最善とされています。また、国が定める「長期優良住宅」として認定されるためには、耐震等級3の基準をクリアする必要があります。

家族みんなが安心して暮らすために、耐震性は欠かせない性能です。

 

省エネ性

省エネ住宅とは、消費エネルギーを抑えた住宅のことです。断熱性や気密性に優れた高性能住宅は、冷暖房エネルギーを抑えられるため、必然的に省エネ性も高くなります。近年は、消費エネルギーを減らすだけでなく、太陽光発電システムなどでエネルギーを生みだす「創エネ住宅」の人気も高まっています。

エネルギー消費量を抑えられるので、電気代の節約になるなど、家計にもやさしい性能です。

 

高性能住宅の基準や定義

「高性能住宅」に明確な基準や定義はありませんが、「長期優良住宅」「ZEH(ゼッチ)住宅」などの明確な基準をクリアした住宅はあります。

HPなどで高性能をうたっていても、実際にどのような性能に力をいれているのかはビルダーごとに異なります。

長期優良住宅やZEHに対応しているか、実績はどの程度あるかなどを相談会で確認してみると良いでしょう。

 

 

「長期優良住宅」とは?

長期優良住宅とは、「つくっては壊す」スクラップ&ビルド型の社会から、「いいものを作って、きちんと手入れをして長く大切に使う」ストック活用型の社会へ転換を目的に、国土交通省が定めた制度です。

認定を得るためには、耐震性、劣化対策、維持管理対策、省エネ対策など、9項目の認定条件を全て満たす必要があります。

また、住宅ローン控除をはじめ登録免許税や不動産取得税、固定資産税などの税金の軽減など、資金計画面でのメリットもあります。

 

長期優良住宅の詳しい解説はこちら

 

「ZEH住宅」とは?

ZEHは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略で、エネルギー収支がゼロになる家のことです。

具体的には、断熱性を高め、省エネ設備を導入し、太陽光発電システムなどでエネルギーを生み出すことで、家でのエネルギー消費量をエネルギー生産量が上回る家を指します。

 

ZEHは、省エネと創エネを組み合わせた環境に優しい未来の住宅のスタンダードです。これからの新築住宅は、ZEH基準を満たすことが求められると言われています。

また、近年ではZEHを超えた「HEAT20 G1~3グレード」という新しい基準も登場しています。これからの時代を見据えた家づくりをお考えの方は、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。

 

ZEH・HEAT20についての詳しい解説はこちら

 

高性能住宅のメリット

一年中快適で健康的な室内環境

高い断熱性と気密性により、外気の影響を受けにくく、家の中の温度を一定に保ちやすいのが最大の魅力です。夏は涼しく冬は暖かいのはもちろん、部屋ごとの温度差も少ないため、ヒートショックのリスクを低減します。結露やカビの発生も抑え、アレルギー対策にも配慮した健康的な暮らしを実現します。

 

光熱費を大幅に削減できる経済性

高性能住宅は、冷暖房の熱が外に逃げにくいので、冷暖房が効率よく、少ない電力で家全体を快適な温度に保てます。その結果、エアコンの使用頻度や設定温度を抑えられ、月々の光熱費を大幅に削減できるのが大きなメリットです。高性能住宅にする場合初期費用はかかりますが、長期的に見れば非常に経済的な住まいと言えるでしょう。

 

地震に強く、建物の寿命が延びる

高い耐震性能を備えていることも高性能住宅の重要なポイントです。万が一の地震でも家族の安全を守り、大切な資産である家の損傷を最小限に抑えます。また、適切な換気と高い気密・断熱性は内部結露を防ぎ、柱や土台といった構造材の劣化を抑制できます。結果として家全体の耐久性が向上し、長く安心して住み続けられます。

 

騒音を気にしない静かな室内環境

高い気密性は、優れた遮音性にもつながります。壁や窓の隙間が少ないため、外の車の音や近隣の生活音などが室内に伝わりにくくなります。逆に、ピアノなどの楽器の音や子どもの声が外に漏れるのも軽減。ストレスのない静かな環境は、暮らしの質を高めるだけでなく、集中したい時やリラックスしたい時も快適に過ごせます。

 

補助金や税金の優遇措置を受けられる可能性がある

国は省エネ性能の高い住宅の普及を推進しているため、ZEH(ゼッチ)や長期優良住宅などの基準を満たす高性能住宅は、様々な補助金の対象となる場合があります。また、住宅ローン控除の借入限度額が引き上げられるなど、税制面での優遇措置も用意されています。これらの制度を賢く活用すれば、建築時の初期費用負担を軽減できるのは大きな魅力です。

 

高性能住宅を建てる際の注意点

夏は暑くなってしまう可能性がある

高性能住宅は断熱・気密性能が高いため、一度室内に入った熱が逃げにくいという特性があります。そのため、夏の強い日差しが窓から直接入り込むと、室内に熱がこもってしまい「夏は暑い家」になる可能性があります。

これを防ぐには、軒や庇(ひさし)で日差しを遮ったり、遮熱性能の高い窓ガラスや外付けブラインドを採用したりする日射遮蔽設計が不可欠です。

 

初期費用が高くなる

高性能住宅を実現するには、高性能な断熱材や気密部材、熱交換型の換気システム、樹脂サッシなどの高価な建材が必要になります。また、隙間なく施工するための専門的な技術も求められるため、一般的な住宅に比べて建築時の初期費用は高くなる傾向があります。
ただし、光熱費の削減や補助金制度の活用も視野に入れ、長期的な視点でコストを考えることが重要です。

 

高性能でおしゃれな注文住宅の施工事例2選

デザインも性能も妥協しない、理想の家づくり。ここでは、高い断熱性や耐震性を確保しながら、洗練されたデザインを実現した注文住宅の施工事例を2つご紹介します。

 

1.アウトドアを楽しめる土間のある家

土間スペースや吹き抜けのデザイン性を持たせつつ性能も兼ね備えた二階建ての家。

 

 

趣味と日常を上手に融合させたシンプルモダンなお家。
LDKと庭をつなぐように設けた土間スペースはアウトドアが趣味のご夫婦にとって日々の暮らしを彩る場所に。大人の落ち着きも感じられる色遣いでバランスのとれた注文住宅です。

この施工事例をもっと見る>

 

2.中庭のあるモダンな平屋

中庭を囲う大きな窓は高性能な窓を採用することで断熱性能を高めた平屋の家。

 

 

グレーの外壁に板張りを施した、素材の美しさが際立つ外観。
モノトーンがクールな雰囲気のLDKは、高さのある勾配天井で開放感抜群。
隣接する中庭は、壁で囲まれた完全プライベートの空間です。

この施工事例をもっと見る>

 

香川県で高性能住宅ならロータリーハウス

高性能住宅を建てるなら、実績が豊富で信頼できるハウスメーカーや工務店に相談・依頼することが大切です。

ロータリーハウスは、これからの時代、高い性能を長期にわたって維持することができ、次の世代へと受け継いでいけるような家が構造のベースとなると考えています。そのため全棟「長期優良住宅」の家づくりに加えて、「ZEH」「HEAT20 G2グレード」基準の家づくりにも対応しております。

高性能住宅についてご興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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