折り下げ天井とは、仕切りの無い空間で天井の一部を意図的に下げる施工のことをいいます。色々な場所で採用することができますが、キッチンに取り入れる例が多くなっています。下げ幅はデザインイメージによって様々ですが、10～20ｃｍ程度が一般的で、間接照明の有無によってはさらに下げることも検討されます。

空間を視覚的に仕切ることができる

お家の中で最も広いLDKは、ともすれば単調な空間になってしまう場所です。だからといって家具や壁で仕切ってしまうと、せっかくの開放感を妨げることになります。しかし天井高を変えるだけであれば、空間を狭くさせることなく緩やかにゾーニングすることができ、メリハリが生まれます。天井の色を変えることで雰囲気に違いを出すと、さらに空間を仕切る効果が期待できます。

対比によってリビングが開放的に感じられる

キッチンの天井を下げると、その対比で隣り合うリビングの天井が高く感じられます。家族がくつろいだりお喋りを楽しんだりする場所なので、開放的にしたいと希望する人が多いですが、吹き抜けや折り上げ天井は予算や間取りの関係で取り入れるのが難しいということもあるでしょう。そういった場合には、こうした心理的な作用を使って開放感を出すのもひとつの選択肢です。

デザイン性がアップする

通常はフラットな天井に段差を作ることで、視覚的なリズムが生まれ、その変化を愉しめる空間となります。折り下げた天井には違う色のクロスや板張りを採用することもでき、LDKの中のアクセントとしても機能します。また折り下げ天井の形状を活かし、間接照明を採用するのもおすすめです。

落ち着きを感じやすい

高い天井の空間が開放的に感じられるのとは逆に、低い天井の空間はしっかりと守られているかのように感じられ、気持ちが落ち着きやすい空間となります。そのためキッチンに折り下げ天井を取り入れると、お料理に集中しやすくなります。またダイニングまで折り下げ天井が続いていれば、食卓での穏やかな時間を過ごすのにもぴったりの場所となるでしょう。

施工に費用がかかる

天井に段差を造ると、どうしても費用が通常よりもかかってしまいます。どれくらいの範囲で天井を下げるかに加え、下げた部分に使う素材、また間接照明の有無によっても費用は変わります。採用する場合は施工会社にしっかりと確認した上で決めると安心です。

圧迫感が出る恐れがある

落ち着きが出やすい折り下げ天井ですが、天井の下げ幅が大きくなると空間に圧迫感が出る原因となってしまいます。単純な数字の上での下げ幅だけでなく、暮らす人や、その場所をよく使う人の身長を考慮して高さを決めると良いでしょう。また天井のクロスなどに明度の高い色を採用することで、圧迫感を押さえることができます。

掃除に手間がかかる

天井の段差はほこりが溜まりやすい場所です。またキッチンの天井であれば油汚れにも気を付けなければいけません。高い場所は掃除が手間に感じやすいので、掃除方法はあらかじめ検討しておくのが良いでしょう。

白を基調としたリビングと対照的に、キッチン周りはダークカラーを多用しています。ブラックの折り下げ天井で空間が一気に引き締まります。

全体をグレージュ系でまとめた空間に、折り下げ天井で木目をプラス。シックな中に木目の温かさが映えるおしゃれなキッチンになっています。

木目の柔らかさにブラックをアクセントとした、メリハリのあるデザイン。側面をブラックにすることで、直線を強調できてシャープな印象に。

本物の木を採用した折り下げ天井。空間のアクセントとなるだけでなく、高級感もアップ。LDK全体の中でも存在感のあるキッチン・ダイニングになっています。

柔らかなグレーの折り下げ天井に間接照明を施しています。遊び心のあるクロスやペンダントライトとのバランスが絶妙な、おしゃれなキッチン・ダイニングです。

和モダンを意識したミニマルなインテリアの中で際立つ折り下げ天井。本物の質感が美しい杉板と間接照明の組み合わせが高級感を演出します。

空間をブラッシュアップすることができる折り下げ天井は、家づくりの際にぜひ検討してほしいもののひとつです。折り下げ天井が気になる方、どんなデザインにするか迷う方は、打ち合わせにてご相談ください。自分たちに合う形を見つけて、家族のいちばんくつろげる空間を叶えましょう。

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